宮古島市育委員会 教育長 宮國 博 殿
平成31年3月18日
幼稚園最低規定人数5名の廃止と各学区への預かり保育環境整備を求める要請書
要請者 MakanaOiaio
連 名
福嶺学区部落会自治会長会・城辺学区部落会自治会長会・狩俣自治会・来間部落会・いけま島おこしの会(池間自治会・池間漁業協同組合・池間島観光協会・池間老人クラブ・NPO法人いけま福祉支援センター・池間小中学校PTA)・福嶺小学校保護者有志会・城辺学区保護者有志会・狩俣幼稚園小学校PTA
市教育委員会は、2015年12月の定例会で、幼稚園の最低規定人数を5名に定め、2016年4月からこれに基づいた運営をされてきました。しかし、この3年間、この規定によって少子化地域の幼稚園休園が増え、幼いこどもたちが遠い他学区への通園を強いられ、働き世代が地域外に出なければならなくなり、こども、保護者、地域にとってリスクを生じさせているのが現状です。波及することとして、幼稚園が休園することによる同学区小学校の児童数減少、地元地域行事からこどもたちを減少させ、地域自治体機能を衰退させる重大な問題が生じています。※1※2
2016年以降、この件について特化する地域や保護者から規定人数廃止や見直しの要請がされましたが、宮古島市教育委員会は、「「学校教育法」「幼稚園教育要領」に示されている幼稚園教育の目的を達成するための教育活動を行うには、最低「5名以上」の集団環境が望ましい」という理由で変わらず規定を継続されてきました。しかし、この規定の見直しの必要性は年々増しています。
この規定は、文部科学省の既定にはなく、沖縄県下でも宮古島市教育委員会だけが定める宮古島市独自の規定です。※3※4
国や県からの規定ではなく、宮古島市教育委員会による規定が宮古島市民への圧迫を引き起こしていること。園児・保護者への影響のみならず、小中学校へ影響や幼児教員の職を減少させることも公立幼稚園を減少させてはいけないと考える理由です。(認定こども園や5才児保育内での幼児教育の環境整備が整ってからの移行を求めます。)
大人たちが教育委員会を中心に、実際に展開する物事の進め方は、各学校でこどもたちに展開している主体性教育の模範であるはずだと考え、今のように、市教育委員会で決定したことをただ地域住民に伝え執り行うというのでは、各地域実態を踏まえた教育環境を作ることはとても難しく、子供達の暮らしを良く知る保護者や学区地域の大人たちが意見を出しながら、当局と共に最善を話し合うことが機関本来の目的であるとも考えます。※5
幼児期の教育は生涯にわたる人格形成を養う重要なものであり、決して幼稚園内だけでできるものではなく家庭や地域の力なくては成らないものです。幼いこどもこそ、自宅からできるだけ歩いて通える
年齢に相応しい保育・教育環境、地元地域みんなでこどもたちを見守ることができる環境が、確かな人格を養っていく上で最も重要なことのひとつです。また、家庭の経済的安定や地域の発展や自立は、子供の成長に必要不可欠なものであり、地域自治体が存続することこそ、こどもたち大人たちにとって最も必要不可欠な基盤だと言えます。
「幼稚園教育の規則」という名のもとに、身近な幼稚園を休園し遠くに通わせることで与えるリスクや、幼稚園休園が地域に与えるリスクについて、宮古島のこどもたちの20年後30年後というような長期的な視点からももう一度考えて頂き、各学区に保育・幼小中学校の存続自体が重大だということを念頭に、幼稚園最低規定人数の廃止をお願い申し上げます。
わたしたちは以下5つのことを要請致します。
1、幼稚園最低規定人数5名を廃止すること。
2、これについて平成31年4月4日までに回答すること。
3、各幼稚園での預かり保育または預かり保育場所までの移動を含めた教育環境を早急に整えること。預かり保育の方法は一つでなく、他市町村を参考に、少子化地域であっても地域住民と共に従来とは違う方法を考え各幼稚園に設けられる可能性があります。
4、公立の保育園・幼稚園・小中学校をこれ以上減少させないよう最善の努力を努めること
5、宮古島全体のこどもたちの教育環境づくりに最善の工夫をし、保護者や地域住民と丁寧な対話を通じて合意形成を図る為に、各学区住民と共同で地域実態調査や協議を設けること。とくに学校規模縮小に繋がることは注意深く丁寧に協議すること。
※1 31年度狩俣幼稚園年少組園児4名は、最低規定人数に満たない理由で、今年度まで通っていた年長組への進学をあきらめざるを得ない状況になった。
※2
文部科学省【学校統廃合の手引き】学校規模の標準を下回る場合の目安
学校規模適正化やそれが困難である場合の小規模校の充実策等に関し、保護者や地域住民と丁寧な対話を通じて合意形成を図りつつ、地域実態を踏まえた方針や基準を定め具体的な検討を進めていくこと
※3 宮古島市教育委員会が定めるこの規定は、沖縄県下において他の市町村で見られない宮古島市教育員会独自の規則である。議会を通すことを必要とせず、宮古島市教育委員会によって翌月からでも改正可能な規定である。
※4 文部科学省【幼稚園設置基準】では 「一学級の幼児数は35人以下とする」とだけ記される。最低人数の基準はなく、4名以下だとだめだという根拠があるわけではない。年度途中で園児が増える可能性もあります。
※5 【教育委員会制度】は、広く地域住民の意向が反映される教育行政(レイマンコントロールの実現)の為に設けられている制度で、教育委員会は、地域住民の意思を確認しなければならない立場の機関である。